無線通信インフラが整備され様々な用途向けのモバイル機器の提供が進むことにより、個人の日常生活で中心的な役割を果たす大規模でグローバルなコンピューティング環境が構築されました。相互に接続された通信ネットワークと、それらの通信ネットワークに接続可能な様々な通信機器を利用して、世界中の人々が地理的な制約を受けることなく意思疎通を図り知的生産活動を行っています。
様々な通信ネットワークや通信機器の集合体であるこのインフラストラクチャ上では、データ集約的なアプリケーションに対して、スケーラビリティの確保、通信コネクションの品質変動や瞬断への対応、通信帯域や消費電力の低減化、物理的サイズの制限への配慮、ハイブリッド・ネットワーク上でのマルチメディアデータ配信や位置情報ベースのサービス提供等の多くの課題が課せられます。
急速に変動するモバイル環境では、データ管理における従来の問題を再考して評価し直さなければなりません。データのセマンティクス、位置を中心としたデータサービス、放送やマルチキャスト配信、データ可用性技術、セキュリティとプライバシーなどの新たな問題に取り組む必要があります。MDM'06は、mobile computing、wearable computing、pervasive computingを発展させるデータ管理およびアクセス技術に関わる課題と解決方法に注目します。